【小説「悪人」について】私のとっておきの一冊【ブロガー企画】

こんにちは、あやけろ(@ayakerocom)です。

今回は、小説「悪人」(著:吉田修一)のご紹介をします。

ご紹介の前に、この記事を書くまでのいきさつをお話させてください。

先日、下記のツイートを発見しました。

なんだか楽しそうだな!と思い、参加表明させて頂きまして、この記事を書いた次第です。

結婚・出産する前までは読書が趣味でしたので、書評の勉強も兼ねて参加させて頂きました。

企画の詳細については、【ブロガー企画】私のとっておきの一冊|小春のきらきら日和をお読みください。

目次

著者「吉田修一」について

https://twitter.com/MIYAO_miimiis/status/1256880772356554753

長崎市出身。1997年「最後の息子」で、第84回文學界新人賞を受賞し、小説家デビュー。同作で、第117回芥川龍之介賞候補。
2002年、『パレード』で、第15回山本周五郎賞を受賞。同年には「パーク・ライフ」で、第127回芥川龍之介賞を受賞。純文学と大衆小説の文学賞を合わせて受賞したことで話題になった。

引用:Wikipedia

吉田修一さんは、小説がお好きな方でしたらご存じの方も多いかと思います。

ちなみに吉田さんは私と同郷でして、しかも同じ高校出身です。

なので、これはもう吉田さんの本を紹介するしかないだろ!と思い、今回選ばせて頂きました。

小説「悪人」について

2006年3月24日から2007年1月29日まで『朝日新聞』にて連載され、2007年に朝日新聞社より出版された。2010年11月時点で朝日文庫版が210万部を突破している。
第61回毎日出版文化賞と第34回大佛次郎賞をダブル受賞。2008年度本屋大賞第4位。同年9月11日に妻夫木聡が主演で実写映画が公開された。

引用:Wikipedia

「悪人」は高く評価され映画化もされていますので、原作は読んだことなくても映画なら観たことある、という方もいらっしゃると思います。

原作と映画の違いについてですが、私が観た限りでは内容的に大きな違いはなかったと記憶しています。

若干、描写が異なる点もありますが、おおまかなストーリーは同じです。

ですが、登場人物をより深く理解できたのは原作でした。(個人の感想です)

本の考察

では、さっそく内容について書いていきます。

あらすじ

物語は、長崎市郊外に住む若い土木作業員が、福岡市内に暮らす保険外交員の石橋佳乃を絞殺し、その死体を遺棄した容疑で長崎県警に逮捕されるところからスタートします。

この事件が起こった背景や、被害者・加害者の家族、また事件に巻き込まれた人の様々な心理描写を通して、人間の善悪とは何か?を深く考えさせられる内容です。

読み終わって・・・

ここからはネタバレを含みます。

この本を読み終わった直後の率直な感想としては、「このやり場のない感情をどこへ持ってけばいいのだろう」というなんとも言えない、暗い気持ちになりました。

バッドエンドのようですが、でもある意味ハッピーエンドのような・・・読んだ人の受け取り方によっては感想が全く変わってくる本かもしれません。

物語には複数の登場人物がおり、それぞれの視点で話が進んでいきますので、事件に関わる主要な人物全ての気持ちに入り込んで読み進めることができます。

登場人物の中には、全く同情できないクソみたいな男も出てきますが、そういう人間がいることで物語がより一層ひきたっています。

私が初めて「悪人」を読んだのは、独身の頃でした。

その時はヒロインの光代に感情移入して、30歳独身女性が抱える淋しさや、内に秘めた激しい恋愛感情など共感できるものが多く、読み終わった後は光代にかなり親近感を覚えました。

しかし先日改めて読み返してみると、前回読んだ時とは印象が違いまして、意外にも一番共感できたのは被害者・石橋佳乃の父・佳男でした。

事件の被害者でもある娘の佳乃は、出会い系で会った男と売春したり、見栄を張るため友人に嘘をついたりとお世辞にも良い娘とは言えないのですが、佳男の娘に対する愛情は、自分が親となった今だからこそ深く共感できるものがありました。

佳男は娘が殺された現実を受け入れられぬまま、娘が「出会い系、売春」などとマスコミで報道され、世間からのバッシングを浴びる毎日に打ちひしがれ、次第に怒りを覚えていきます。

そして殺害現場となった三瀬峠へと足を運び、娘を峠へ置き去りにした増尾に対し復讐を決意します。

結果的に復讐は失敗に終わりますが、佳男は最後、自分と娘を笑いものにする増尾に向かって、

「可笑しかね?」

「そうやって生きていかんね」

「・・・そうやってずっと、人のこと、笑って生きていけばよか」

と吐き捨て、憎さなど吹き飛んでしまうほどの途方もない悲しさに直面します。

増尾とは先ほどご紹介した、全く同情できないクソみたいな男です。(ちなみに増尾は殺人犯ではありません)

佳男としては、何故こんな奴に娘は惚れたのか、何故こんな奴が娘を峠に置き去りにしたのか、何故こんな奴が・・・といったところでしょう。

佳男は物語の中で、子を想う親の気持ちを、どストレートに表現している人物です。

そして私も同じ子を持つ親の立場として、最後の佳男の心情を表すと「無念」の一言に尽きると思います。

もし佳男が隣にいたら、肩の一つでもポンと叩いてやりたい思いです。

このように、前回読んだ時は光代に共感し、今回は佳男と、読むタイミングが違うだけで感情移入する人物が変わり、印象もガラリと変わる不思議な本です。

なので、まだ読んだことない方も、だいぶ前に読んだことある方にもオススメです。

また「悪人」の舞台は、九州の長崎・佐賀・福岡です。

実際の地名もたくさん出てきますし、会話もほとんど方言ですので、九州出身の方は親しみやすい内容かな、と思います。

なお方言については、どなたでも理解できるようなソフトな訛りで書いてありますので、日本語がわかる方でしたら全然問題ないと思います。

ちょっと内容は暗いですけど、小説をガッツリ読みたい方にはオススメです!ぜひ!

以上、小説「悪人」について、でした。

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